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経営相談
掲載日:2023年3月20日

経営総合相談窓口の現場から~「受領拒否の禁止」 (情報成果物作成委託の例)

ソフトウエアなどのプログラムや設計図、デザインなどの作成委託は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の情報成果物作成委託に該当します。
今回は、情報成果物作成委託で「不当な受領拒否」について掲載いたします。

(相談事例)
A社(資本金50,000千円)はソフトウエアの開発会社です。ソフト開発の一部をB社(資本金10,000,000千円)から2年前に受託し、完成しました。完成したソフトウエアをB社に納品したところ、内容は満たしているが、社内方針が変わったとの理由で採用しないと通知がきました。A社は今後どう対応したらいいか困り「下請かけこみ寺」に相談しました。

このソフトウエアは、製品に内蔵されているものではないため、B社自らが同種のソフトウエアの開発を業としていないのであれば、下請法の対象外となります。
しかし、B社が同種のソフトウエアの開発を業として行っていれば、下請法の「情報成果物作成委託及び役務提供委託」の資本金区分(親事業者 資本金50,000千円超、下請事業者 資本金50,000千円以下)の対象となる取引と考えられます。
今回の取引は、契約どおりに成果物が完成しているにもかかわらず、B社の社内方針変更というA社の都合によらない理由で採用しないことは、下請法第4条第1項第1号「受領拒否の禁止」に該当する恐れがあります。また、下請法の適用を受けない取引であっても、一方的な契約解除に対して、「債務不履行に基づく損害賠償請求」を行うことができる可能性があります。
A社には、以上のことを念頭にB社に交渉を申入れてはどうかとアドバイスをいたしました。

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