「サポかな」取材名言～井組自動車工業井組浩紀氏「自分しかできない仕事だけやる」ホームページに注力し下請けから脱却(2)

参考にしたのは、美容外科のホームページ。

当初、自動車板金工場が自社ホームページを持っている例が少なく、「安い、早い、安心」を押し出すだけで集客ができたという。それから数年のうちに「ホームページを真似、安さだけで勝負する胡散臭い板金屋が増えてきた」。そこで2007年、浩紀氏は職人たちをタレントのように紹介するページを増強。参考にしたのは大手芸能プロダクションだ。「芸人をプロデュースするように、職人のタレント性を引き出すのが自分の仕事」。職人の待遇UPと大きな設備投資で技術の底上げをするとともに、次に着手したのが「実績は、証」と修理事例の列挙だ。ヒントは、大手美容外科のホームページ。「（顔の）修理事例がハンパない。何ができるのかはっきり伝わる」。

俺みたいに人に頭を下げるのが嫌いなやつには、ホームページが向いているんです。24時間、自分が寝ている間も営業してくれる。

SEO対策の他、10年前からはホームページに誘導するリスティング広告に資金を投入する。商圏設定は、職人たちが「いい仕事のできるちょうどいい範囲」に絞っている。
ホームページを見た顧客からの連絡方法は、3割がメール、6割が電話だという。自動車修理というのは、青天の霹靂、即電話したい心理なのだろう。そして、残りの1割は…なんと「アポなし」。直接工場に横付けされるそうだ。
なお、SNSも活用してきた浩紀氏だが「趣味に向いたSNS、若い子向けのSNSは、うちには費用対効果が悪いからやらない。ホームページとブログに時間をかけます」。