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掲載日:2022年9月16日

【続報】大連のロックダウンの緩和と現地の状況

前回の記事はコチラから

大連のロックダウンの緩和状況(916日時点)

830日から始まった大連市内中心区(中山区・西岡区・沙河口区・甘井子区・高新区)のロックダウンは、910日に市中での新規感染者が0人となったことを受け、段階的に緩和されています。916日には市内のコロナ中高リスク地域がゼロになり、市内中心区では小区(マンション管理区)内での活動が認められ、生活必需品を購入するために中山区などの所在行政区内を移動することも認められました。一部のスーパーや市場、デパートは店舗内営業が再開できることとなり、出前での商品を提供する飲食店も少しずつ増えています。

私のいる中山区内では、ロックダウン以降、毎日PCR検査が実施されていましたが、916日に初めて検査を行わない旨の連絡がありました。コロナの収束を感じさせる良い知らせです。現状はバスなどの公共交通機関は営業不可(タクシーは除く)、閉鎖中の工場やオフィスビルなどの事務所は原則閉鎖となっているなど、引き続き厳しい防疫管理体制が敷かれておりますが、今後の緩和を期待したいと思います。

なお、開発区などの市内中心区以外の地域では、市内中心区のようなロックダウンは行われておらず、飲食店の店舗内営業などは停止となっているものの、区域内での移動や工場の操業などが可能となっています。

市内中心部のロックダウン中の状況

ロックダウンが始まった時点では市内のスーパーやコンビニエンスストアが営業しておりましたが、すぐに規制が厳しくなり、翌日にはそれらの店舗も閉店、その翌日にはマンションから出ることもできなくなってしまいました。毎日決まった時間にマンション内でPCR検査が実施され、外に出るのは検査を受ける時だけです。街中では公安の車両が市内を巡回しており、一部の道路にはバリケードが置かれ物理的に通行できないようになっているなど、物々しい雰囲気も出ていました。

私のマンションでは肉や野菜などの食料品を有料で調達してもらうことができたため食事に困ることはありませんでしたが、自分で調達しなければいけない人は、近所に設置された簡易市場で野菜を購入したりしていたそうです。値段も一時的に高まり、野菜価格の高騰や調達難のSNS上でのメッセージも多く見かけました。ごく一部の飲食店やスーパーは出前対応なども行っていたようですが、商品や配達員の不足もあり、自由にものを調達できる状況ではありませんでした。

 市内中心部ではオフィスだけでなく工場なども原則操業停止で、日系企業の方々も在宅業務対応を強いられていました。一方、生活インフラ関連に従事する方々はこうした中でも現場で働いており、例えばホテルの従業員などは、ホテルに泊まりこみで交代勤務をしていたとのことです。

これまでのコロナ発生時との違い

徹底した防疫体制と行動制限期間の短縮

 大連市ではこれまでも何度となくコロナが発生し、行動制限や施設閉鎖などが実施されましたが、2週間以上原則外出ができないというのはこれまでで一番厳しい防疫管理体制でした。オミクロン株への変異による感染力強化の影響によるものだと思いますが、一方で、防疫管理の厳格化とオミクロン株の特性(デルタ株などより潜伏期間が短い)によって、行動制限期間は以前より短くなったと言えそうです。

N95マスクの着用徹底

 過去数回大連でコロナが発生した際は、N95マスクの着用についてあまり強く求められていませんでしたが、今回からは着用が厳しく求められるようになりました。

場所コードの利用

 ロックダウンの緩和と合わせて、2022911日より、全市範囲において「場所コード」の使用が始まりました。「場所コード」は、各場所に入る人向けの専用QRコードで、携帯でスキャンすることでその場所を出入りした人々の情報(入場者、時間、場所)が自動的に登録されるシステムです。新型コロナの確定患者が見つかった場合、感染経路の調査に大いに役立ち、感染拡大を防ぐことができるというものです。交通のチェックポイント(港、空港、駅、地下鉄等)や、バス・タクシーをはじめ、ホテル・スーパー・デパート・農貿市場・病院・薬局・学校・幼稚園・図書館・本屋・美容室・金融機構・郵便局などに入場する際にスキャンが必要となります。

 

最後に

 大連の感染は収束に向かっていますが、中国のゼロコロナ政策による社会・経済活動の停滞は、多くの人や企業にとって大きな課題です。一日でも早く自由な生活とビジネス環境が戻ることを願っています。

参考:大連市のロックダウン前日から915日までの感染者数の推移

829日 感染者:0 無症状感染者:40(重点区域から23例)

830日 感染者:3 無症状感染者:62(重点区域及び重点人員から15例)

831日 感染者:4 無症状感染者:101(重点区域及び重点人員から51例)

91日 感染者:3 無症状感染者:112(重点区域及び重点人員から48例)

92日 感染者:6 無症状感染者:106(重点区域及び重点人員から31例)

93日 感染者:5 無症状感染者:101(重点区域及び重点人員から23例)

94日 感染者:9 無症状感染者:86(重点区域及び重点人員から20例)

95日 感染者:2 無症状感染者:85(重点区域から11例)

96日 感染者:2 無症状感染者:76(重点区域から8例)

97日 感染者:3 無症状感染者:70(重点区域と重点人員から6例、集中隔離管理コントロール人員から67例)

98日 感染者:2 無症状感染者:75(重点区域から3例、集中隔離管理コントロール人員から73例)

99日 感染者:3 無症状感染者:53(重点区域から1例、集中隔離管理コントロール人員から55例)

910日 感染者:0 無症状感染者:38(すべては集中隔離管理コントロール人員の検査から検出)

911日 感染者:0 無症状感染者:28(すべては集中隔離管理コントロール人員の検査から検出)

912日 感染者:3 無症状感染者:22(重点区域から2例、集中隔離管理コントロール人員から23例)

913日 感染者:0 無症状感染者:10(すべては集中隔離管理コントロール人員の検査から検出)

914日 感染者:0 無症状感染者:6(重点区域から1例、集中隔離管理コントロール人員から5例)

915日 感染者:0 無症状感染者:0

 

     集中隔離管理コントロール人員は、濃厚接触や感染者と同じ小区内に居住などの理由により、隔離措置を受けている人々。

ロックダウン中に市内を見回る公安の車両

ロックダウン中のPCR検査の列と消毒散布の現場

再開したデパートに向かう市民

デパートに入場する際の「場所コード」のスキャン

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