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掲載日:2020年11月25日

海外展開支援の活動事例【専門員レポート】

海外展開支援の活動事例

今年度は新型コロナウイルスパンデミックの影響を受けて、通常と異なった県内中小企業への支援活動となっています。

海外展開をスタートさせようとしている企業、現在行っている企業にとって、いろいろと海外ビジネス上の制限があり、お困りだと存じます。海外ビジネスで、国境を越えた人の往来がストップされ、海外ビジネス新規開拓に非常に役立つ海外の国際展示会(オンライン展示会を除き)の多くが延期またはキャンセルとなりお困りでしょう。その中で、業種・海外展開の段階によっては、代替法があります。新規に始める場合には、国内にいてもいろいろと準備・調査ができますし、現行顧客とはコミュニケーションは保てます。また、新規に始める場合でも、メール、ビデオ会議、電話会議でかなりの部分は行えますが、それには 社内に(顧問を含めて)ビジネスレベルの英語ができる人材が不可欠です。中小・ベンチャー企業では、人的資源・資金的資源に制限もあるでしょうから、神奈川産業振興センター等の公的機関に支援を求めることも一つの道でしょう。特定のトピックでのスポット的支援も多々ありますが、一方でいろいろな面で継続的支援を行っている場合もあります。

そのいくつかの事例を挙げて関連企業の参考になればと思い筆をとりました。

支援活動例 1

某冷凍食品販売企業への支援

当社は現在まで国内販売のみで、病院・介護施設などへの食材販売で国内大手企業。

初めての輸出を計画しているときに支援を求められた。貿易知識ゼロの状態であったので、当社に適した支援を全面的に行った。貿易実務の初歩講座を行い、貿易(輸出)に関して、必要な事柄で当社に関係する部分すべての概略説明をした。
(例:輸出における価格構成、計算方法、商品の向け地国への輸入関税率、ターゲット市場・国での輸入規則・規制、ターゲット市場の決め方、オファーの際の支払い条件・使用通貨、通関業者の選択、現地パートナーの種類・選定法、どのように見込み顧客を探すか、製品ラインの輸出オファー価格表作成、関税率、商品につけるラベル表示の内容の説明・添削、サンプル送付の為のInvoice作成支援、添削等)。
また、進出予定国の病院食、老人介護施設での給食などの情報を見つけだし提供した。施設別平均介護食コストの情報も提供した。

さらに、市場調査をお手伝いし、最初のターゲット国を決定した。次に、進出予定国でのターゲット顧客企業名をサーチして見つけだした。そこで、当社の希望でLinked In(米国のFacebookの企業版ともいえるサイト)の有料サービスを使用し、ターゲット企業に勤めている人々の中から最も関係のある部署を見つけだし、彼らにLinkedIn内のメールサービス機能で直接コンタクトし当社の内容を説明し売り込みのヘルプをした。連絡のあったターゲット企業の担当マネージャーとオープンメールでやり取りを直接行いビジネス開始のところまですべて支援を行った。

支援活動例 2

某まつ毛エクステンション施術美容院への支援

まつ毛エクステンション施術の美容院経営者から「現在中国からeyelash extensionsを購入して販売しているが、買い付け先を他の国に変更したい」という要望があり、支援をした。

まず、まつ毛エクステンションの市場・メーカーの調査をして、主たる市場が、日本・韓国・中国などアジアであり、その技術の発祥・製造は韓国が本場で日本・韓国製の材料を使うのが主流。中国からの買い付けを変更したいとのことなので、某国企業をターゲットとし、現地メーカーを探し、有力8社ぐらいにメールを送った。そのうちのベストの候補とやり取りし、企業の希望を聞きながら購買品の発注するのをヘルプした。購入先は韓国系企業で日本の材料を使用し、某国で製造。日本の大手にも供給しているメーカーであった。そこを見つけ、交渉し、買い付けのヘルプをした。その結果、当社が従来中国から買っていたアイテムと同等のものを約半値で買い付ける事ができたと報告を受けた。また、支払い方法を変更して、PayPalで円決済するようにアドバイスし、そこでもコスト節減を達成した。細かいコミュニケーションのヘルプをしたので、うまく買い付けできたようである。リピートオーダーからは、自力でできるように筋道をつけた。

支援活動例 3

漢方薬メーカーへの支援

漢方薬のメーカーから、初めて輸出してみたいので、いろいろな情報が欲しいという支援要請を受けた。海外の英文ウェブサイトからいろいろな情報を収集して以下のような項目・コメントを提供した。(概略)

  • 漢方薬の世界市場・メーカー情報
    *日本はKampo、中国はTraditional Chinese Medicine, 韓国はtraditional Korean medicineと呼ばれている。
  • アジア(中国系、日本、韓国など)が市場の中心
  • 欧米向けは、ハードルが高すぎて避けるべきだろう(西洋医学で科学的に解明が必要、莫大な現地での臨床データが必要、米国FDA等の認可が必要で、時間もコストも莫大となる。
  • 米国などの調査会社による非常に有用な有料データが購入可能でその情報を提供

(30万円~45万円程度で入手可能)

  • 香港市場を最初のターゲット国として推薦
  • 海外サイトで日本の漢方薬メーカーとして唯一出てくるのがツムラ順天堂。その英文サイト、Annual Report (English)の情報として、2019年度の総売り上げが1,209億円の当社が、中国の売り上げを飛躍的に伸ばそうとしている(中国市場でのターゲット売り上げを、2021年 36億円、2028年 1,500億円としている)。ツムラ順天堂は深圳、上海、天津に工場、オフィスを構えている。

販売規模がツムラの20分の1である当社は、中国市場は避けて香港を狙うのが得策と思える(中国の漢方薬の輸出国先の1位が香港、2位が日本である)。

  • J Complement Med Alt Healthcare (ISSN:2572-1232)の11ページの”Traditional Chinse Medicine Market in Hong Kong”という記事データを提供した。
  • 中国向けでは、OEM/ODM製造契約、生産・製造技術供与等のライセンス料等を狙うのもよいだろうとアドバイスした。

支援活動例 4

某水質改善装置メーカーへの支援

水質改善装置メーカーから支援要請を受け、以下のような支援を行った。

  • 技術資料の英文化および英文原稿の添削
  • 製品の技術の国際的評価を得るために米国の学会発表・展示会出展を準備している中、その学会の専門家である台湾の大学教授との共同研究において、海外展示会出展英文資料原稿の添削
  • 海外販売代理店契約原稿への種々のアドバイス
  • 製品の輸出の際に 必要な梱包改良、落下試験の国際標準の紹介
  • 海外市場の攻め方のアドバイス
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