1. トップ
  2. スタッフブログ
  3. カスタマージャーニーマップについて

スタッフブログ

経営相談
掲載日:2020年6月23日

カスタマージャーニーマップについて

はじめに

 現在、個人の多くは、インターネットを通じて企業のマーケティング活動と触れ合う機会が増えてきています。
 このことは、実際の広告費の推移からも分かります。
 マスコミ四媒体からインターネットに広告の柱が移っています。

(注)2019年の( )は広告費(億円)インターネットには「日本の広告費」における「物販系ECプラットフォーム広告費」、プロモーションメディアには「イベント」を追加推定。
参照元:株式会社電通「2019年 日本の広告費」

    URL: https://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2019/

 個々人がスマートフォンやタブレット等といったデバイスを通じてインターネットとつながることで、マーケティングに大きく変化が生じます。

 それは、顧客一人ひとりにあったメッセージを発信する「マーケティングのパーソナル化」です。

これからのマーケティング戦略

 今までのマーケティングは、一方的に情報を発信するマスマーケティングというものでした。

 これからのマーケティングは、顧客一人ひとりに対して向けられた有益な情報を発信するOne-to-oneマーケティングというものです

One-to-oneマーケティング

 現代社会では、顧客は多くの情報と経験から購買に関して慎重になっています。

 そのため、顧客はより信頼性の高い情報を求めて、友人や憧れの人(インフルエンサー)等から情報(口コミ)を収集します。

 このような時代においては、顧客に少額でもいいので、継続的に購買してもらうといったサブスクリプション型のビジネスモデルが求められています。

 サブスクリプション型のビジネスモデルでは、自社やブランドのファンになってもらうことが重要課題となります。

 自社やブランドのファンとなった顧客は、まるで自社やブランドの営業マンとして、自らがWEBやSNS,動画等を活用して情報を発信します。

 今回は、1つのツールとして、「カスタマージャーニーマップ」を紹介します。

カスタマージャーニー「顧客の旅」

 カスタマージャーニーとは、顧客が商品・サービスやブランドを選択して購入に至るまでのプロセスのことです。

 SNS、動画、メール、商品サイト、店頭での販促活動など購買プロセス全体において、商品・サービスやブランドと顧客との接点は様々です。

 マーケティングを一貫性のあるものにするためには、それぞれの接点の立ち位置と果たすべき役割(機能)を把握する必要があります。

 カスタマージャーニーといった考えをもつことで、それぞれの接点に顧客が必要としている情報を適切に提供するができます。

 しかし、「カスタマージャーニー」といった概念だけでは顧客の購買行動全体を把握することはできません。

 そこで、用いるのが「カスタマージャーニーマップ」というフレームワークです。

カスタマージャーニーマップ

 「カスタマージャーニーマップ」とは、ペルソナの購買プロセスを時系列で可視化するフレームワークです。

 「カスタマージャーニーマップ」は、次の手順で作成します。

①ペルソナの設定

 ペルソナとは、商品・サービスやブランドの典型的で象徴的なユーザー像のことです。

 ペルソナでは、氏名・年齢・性別・住んでいる地域・家族構成・職業・役職・年収・職場・趣味・価値観・ライフスタイルなどといった点を設定し、実在する人物のような仮説上の人物です。

 ペルソナは仮説上の人物となりますので、ヒアリングやアンケート調査を行い、ペルソナと実態とのギャップを訂正します。

②ゴール(到達地点)の設定

 設定したペルソナに最終的にしてほしい行動は何か、つまり「ゴール」を設定します。

 ゴール設定は企業、商品・サービスやブランド等により異なります。

 例えば、「購入」「お問い合わせ」「リピート購入」「情報発信」等が挙げられます。

 設定したゴールにより調査すべき情報や行動等が変化するため、慎重に決定すべき項目です。

③フレームの縦・横軸の設定

 実際に調査した情報をまとめるためのフレームを設定します。

 例えば、横軸に「認知」「興味・関心」「比較検討」「購入」等の購買プロセスを、縦軸に「タッチポイント」「行動」「思考・感情」「課題」「それに対する施策」等をマッピングします。

④顧客情報の調査・収集

 実際に「カスタマージャーニーマップ」のフレームを埋めていくために、ペルソナの行動を調査します。

 商品・サービスやブランド等の利用について、定量と定性の観点で顧客の情報を収集します。

 定量調査ではオンラインやオフラインでのアンケートやアクセス解析等、定性調査ではモニタリングやユーザインタビュー等が挙げられます。

⑤ラフなマッピング

 情報が集まったら、「カスタマージャーニーマップ」のフレームに沿ってラフにマッピングします。

 様々な立場の人を集めて、マッピングすることで多面的な視点で物事をとらえることができます。

 マッピングの前には、「カスタマージャーニーマップ」の目的、メンバーの役割、ワークショップの進め方等を面同士で共有します。

 記入の順序としては、【行動→接点→思考・感情→課題】がおすすめです。

⑥「カスタマージャーニー」を浮かび上がらせる

 ラフなマッピングを終えたら、情報を整理します。

 情報のグルーピング等を通じて、行動、思考、感情をストーリー化します。

 だれもが直感的な理解を深めるために、イラストを活用する方法もあります。

カスタマージャーニーマップの留意点

①自分たちにとって都合の良い妄想となってしまう

 「こうあって欲しい」、「きっとこう動くはずだ」といった強い願望を反映させてしまうことです。

 必ず調査やデータに基づき、ファクト(事実)ベースで情報をマッピングします。

 ファクト(事実)でない部分については、仮説検証のステップを必ず挟みます。

②最初から細かく作り過ぎない

 まずは一度、作ってみることから始めます。

 作っていく過程で、顧客に関して自分たちが理解できていない部分が明確になります。

 最初から複雑で、キレイなカスタマージャーニーマップを作ろうとせず、理解できている範囲でシンプルに作成し、その後、ブラッシュアップしていきます。

③作っただけで満足せず、バージョンアップする

 顧客の情報行動、購買行動の移り変わりが激しい時代です。

 一度作ったカスタマージャーニーマップは1年も過ぎると、現実とそぐわない点が出てきます。

 半期、1年等といった期間には、「カスタマージャーニーマップ」を見直し、常にバージョンアップします。

最後に

 神奈川産業振興センターでは、マーケティングの支援を行っています。

 相談は、原則無料です。

 詳細は、以下のURLよりご確認いただけます。

 URL:https://www.kipc.or.jp/business-support/management/#section1

情報をシェア
  1. 前の記事
  2. 一覧へ戻る
  3. 次の記事