~社会課題を解決~「過熱水蒸気装置」による食品ロス軽減
株式会社思考館 内藤社長(写真左) 株式会社パワービジョン 冨山社長(写真右)
少子高齢化や人手不足、環境問題などが広がる中、ビジネスを通じて社会課題と向き合い、解決に向けて活動をする企業が当センターの支援先でも増えています。
そこで、今回から全4回にわたり、そのような企業の取り組みを紹介していき、皆さまの経営のヒントにして頂ければと思います。
第一回は、インキュベート施設に入居している株式会社パワービジョンと株式会社思考館が共同で取り組む
「過熱水蒸気装置搭載キャラバン」による食品ロス削減にスポットを当てたいと思います。
■農家の課題に直面
株式会社パワービジョンでは、首都圏では手に入れることができない、地方の選りすぐり食材を、直接生産者から仕入れ販売を主業務としている会社です。
直接、生産者と関わるなかで、まだ食べられる食材が大量に捨てられていることを知りました。たとえば、岐阜県高山市の農園では収穫したトマトが選別段階で 形が歪・傷がある・熟し方が不適切と言う理由で約20%程度の廃棄が発生している。
また野菜・果物ジュースなど各種ジュースを加工する工程においては1次加熱工程後に果実や野菜の皮・種・芯が排出されるため産業廃棄物として廃棄処理されているとのことでした。昨今、持続可能な社会を目指すと叫ばれています。
■思考館と食品ロス削減に取り組む
従来からの協力企業である株式会社思考館が構築した過熱水蒸気乾燥技術・粉砕技術を用いて廃棄食品・食材の乾燥・殺菌、粉末化に取り組んでいきたいと
考えました。
農家に聞き取り調査を行うと、「いきなり数百万の設備を導入することはできない。トライアルで粉砕してみて、活用の方法を一緒に探るなどほかの方法を
考えられないか」とのことでした。冨山社長は悩み、内藤社長と打ち合わせを繰り返した結果、思い切って装置をトラックに載せて粉砕加工に「過熱水蒸気
装置搭載キャラバン」で残食材現場に赴くことを思いつきました。
■設備投資は補助金を活用
新規事業には初期投資が必要であったため、私からは事業再構築補助金のチャレンジを提案させていただきました。3か月にわたり、ディスカッションを繰り返し、社長自ら事業計画書を書き上げ、無事5月に採択されました。
事業はスタートしたばかりですが、全国の食品ロスを削減できる体制は整いました。今後の活動が注目されます。
【募集】
残食材の処理に悩む食品加工会社や農家がいらっしゃいましたら、御社まで「過熱水蒸気装置搭載キャラバン」が乾燥・粉砕に伺います。
お気軽にご相談ください。