事業承継に必要な税務の基礎知識について3(第6回 非上場株式の評価額 (4)配当還元方式 )
相続や贈与の理解には税務の知識が必要となりますが、特に自社株式の評価方法に関する重要なポイントのみに絞って6回シリーズで解説します。
中小企業の皆さまが発行される株式は、そのほとんどが非上場株式であり、公表された取引価格が存在しません。そこで、非上場株式の評価方法は、国税庁の「財産評価基本通達」に定められています。
非上場株式の評価額は、(1)純資産価額方式 (2)類似業種比準方式 (3)併用方式 (4)配当還元方式の4種類によって算出されます。
最終回の今回は、「配当還元方式」です。
配当還元方式
配当還元方式とは、過去の配当実績を基礎として評価額を求める方式で、その株式を所有することによって受け取る一年間の配当金額を、一定の利率(10%)で還元して元本である価額を評価するものです。
評価方法については、国税庁の財産評価基本通達法令解釈通達188から188-2に記載されています。
配当還元価額=その株式の年配当金額(前2年間の平均)/10%×1株当たり資本金等の額/50円 年配当金額=直前期末以前2年間の配当金/2÷1株当たりの資本金の額を50円とした場合の発行済株式数 |
「その株式の年配当金額」とは、直前期と直前前期の通常の配当金額から特別配当や記念配当など非経常的な配当を除外した金額の年平均です。ただし、その金額が2円50銭未満のものおよび無配のものにあっては2円50銭とします。よって、配当還元価額の最低額は、1株当たり資本金等の額の2分の1になります。
(注)上記算式の「その株式に係る年配当金額」は1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の金額であるので、算式中において、評価会社の直前期末における1株当たりの資本金等の額の50円に対する倍数を乗じて評価額を計算することとしていることに留意します。
このブログ記事の詳細は、専門知識が必要となることも多いため、弁護士、税理士などの外部専門家へご確認されることをお勧めします。
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