事業承継に必要な税務の基礎知識について3(第1回 財産の評価 )

相続や贈与の理解には税務の知識が必要となりますが、特に自社株式の評価方法に関する重要なポイントのみに絞って6回シリーズで解説します。第1回は、「財産の評価」です。
財産の評価
相続税および贈与税の課税財産は、相続、遺贈又は贈与により無償で取得した財産であるため、その課税価格の計算に当たっては、取得した財産をいくらに見積もるかという「財産の評価」が必要となります。
相続税法では、財産の評価に関しては、地上権、永小作権、定期金に関する権利等の財産についてその評価方法が規定されていますが、その他の財産の評価については、「時価」による旨だけが規定され、「時価」の内容は法律の解釈に委ねられています。
評価の原則
財産の評価については、その財産の取得価額による原価主義と、その課税時期における時価による時価主義の二つの方法がありますが、相続税法では、時価主義を基本原則としています。
なお、相続税法は、地上権、永小作権などの特定の財産以外の財産については、具体的な評価方法を定めていませんので、課税実務上は、「財産評価基本通達」に基づいて評価することとされています。
取引相場のない株式の評価方法
中小企業の皆さま方の事業承継で特に重要となるのが、オーナーさまが保有される自社株式の評価です。
しかし、中小企業の発行する株式(取引相場のない株式)には、金融商品取引所における市場取引や証券会社の店頭取引で成立するような取引価格というものがありません。
そこで、財産評価基本通達では、取引相場のない株式の価額を客観的・合理的に、かつ、その実態に即して評価することができるようにするため、その評価する株式の発行会社(評価会社)の規模に応じて、大会社、中会社、小会社に区分し、その規模区分に従いそれぞれの会社に適用すべき原則的な評価方式(原則的評価方式 ※1)を定めるとともに、その例外として、少数株主など会社支配権のない株主の取得した株式についての特例的な評価方式(特例的評価方式 ※2)を併せて定めています。
※1 原則的評価方式:同族間の相続や贈与に適用される評価方法
※2 特例的評価方法:少数株主に適用される評価方法
第2回は、「評価方法の判定」です。
「税務大学校 講本」(国税庁)を加工して作成
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