減らす株式会社コバヤシ精密工業

電力の見える化から省エネへ!企業が選んだCO2削減の道とは

※写真 株式会社エニマス(株式会社コバヤシ精密工業の関連会社)二関専務取締役

【事業者情報】

カーボンニュートラルに取り組もうと思ったきっかけはなんでしょうか。

(専務)約6年前、相模原市の省エネ補助金を活用して事業所内の照明をLEDに変更しました。しかし、その後の業績が好調で工作機械を購入したこともあり、全体の電力消費量が増加したことで補助金が交付されませんでした。この悔しい経験から設備ごとの電力消費量を可視化する必要性を感じるようになりました。

設備ごとの電力消費量を可視化するにあたり、会社を設立されたとのことですが。

(専務)社長が相模原市青年工業経営研究会の仲間に悩みを相談したところ、とある企業の社長から「解決するための機器を一緒に作ることができる」と提案を受けました。その後、協力して2019年に設備ごとの電力消費量を計測する機器(ENIMAS)を開発・製造し、2022年にENIMASを製造・販売する会社を設立しました。
ENIMASの開発により設備ごとのCO2排出量削減策が検討できるようになりました。

カーボンニュートラルに取り組もうと思った時、何から取り組み始めましたでしょうか。

(専務)3つの取り組みを始めました。

①エアーコンプレッサ1台を増設

従来、1台のエアーコンプレッサを負荷率80%、電力消費量336kWhで稼働させていました。もう1台増設することで負荷率をそれぞれ約50%に設定、全体の電力消費量240kWhにまで削減できました。

②休日や非稼働時に消費している電力を発見

休日に主電源を落としているマシニングセンターから電力使用が確認されました。調査の結果、前段に設置している昇圧機からマシニングセンターの主電源状態に関係ない電力消費が見つかりました。この電力消費を遮断するため、新たにブレーカーを設置し、無駄な電力消費を削減しました。

③専用ウェアの導入

エアコンで室内温度を簡単に調整できる時代に、環境だけでなく働く人の服装も変えるべきだと考えました。そこで、ポロシャツの脇・首元に水を通すホースを縫い付けたWearConを開発し、社員に配布しました。

現在感じている、カーボンニュートラルに取り組んだことによるメリットはありますでしょうか。

(専務)取り組みに関しては実際に効果がでています。

①エアーコンプレッサ全体の電力消費量を削減!年間の電気代648千円の削減に成功

削減した96kWh/日×年間稼働日250日×電力料金27円/h=648千円
改善のためにエアーコンプレッサ1台1,500千円を導入しましたが、2.3年で投資回収をしました。

②非稼働時の機械の無駄なエネルギー使用量を削減!年間の電気代439千円の削減に成功

〈従来の年間電気代〉65円/h×24h×365日=569千円
〈適正な年間電気代〉65円/h×8h×250日=130千円
 ⇒439千円の削減
改善のためにブレーカー1台100千円を導入しましたが、0.2年で投資回収をしました。

③快適な働く環境を維持したまま、エアコンの設定温度を上げる!電力消費量15~21%の削減に成功

エアコンの設定温度は1℃あげると電力消費量が5~7%削減できます。
今まで26℃設定で稼働していましたが、現在は29℃設定にしています。

これから取り組んでいきたいと考えていることはありますでしょうか。

(専務)現在、事業所の屋根にスプリンクラーで1時間おきに水を撒いています。
これにより、エアコンの電力値が下がっていますが、因果関係を今後しっかりと調査したいと考えています。

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