取組事例
工場電力の100%再生可能エネルギー化で、コスト削減と脱炭素化を同時に実現
【事業者情報】
- 企業名:株式会社シナデック
- 所在地:(厚木工場)神奈川県厚木市妻田北3-38-32
- 事業内容:電子機器の設計、製造および販売
- 創立:2008年
- 企業HP:https://www.synerdec.co.jp/index.html
自家消費型太陽光発電の導入と再生可能電力への契約変更で、着実にCO₂排出量削減を進める県内企業があります。株式会社シナデックの取り組みについて、代表取締役 品田元道 様にお話を伺いました。
脱炭素化に取り組み始めたきっかけは何でしたか?
直接のきっかけは、取引先である自動車関連企業から届いたアンケートでした。自動車業界ではサプライチェーン全体での脱炭素化が求められており、当社にも対応状況を確認するアンケートが寄せられるようになったのです。
義務ではないものの、取引継続や企業評価への影響を見据え、早めに動く必要があると判断しました。加えて、当社では太陽光発電の制御装置の開発も受託しており、その技術検証の場として自社工場に導入する狙いもありました。外部環境への対応と自社技術の活用、この二つの目的が重なったことが第一歩となりました。
具体的にどのような取り組みをされていますか?
中核となるのは、再生可能エネルギーの導入です。厚木工場の屋上に22kWの太陽光発電設備を設置して発電した電力を自家消費し、不足分は再エネ由来の電力メニューに切り替えました。これにより、工場で使う電力を実質100%再生可能エネルギーとしています。
省エネにも並行して取り組み、照明のLED化や空調設備の高効率機種への切り替えを実施しました。また、工場入口にディスプレイを設置し、発電量や電力使用量をリアルタイムで表示する「見える化」も行っており、従業員の意識向上にもつながっています。
さらに、災害時には非常用コンセントを通じて地域住民へ電力を提供できる体制も整えており、地域貢献も意識した取り組みになっています。
経済的な効果はありましたか?
環境面だけでなく、経済面でも大きな効果を感じています。事業拡大に伴い電気代は月10万円から20万円以上に増えていましたが、太陽光発電の導入で使用電力の約20%を自家発電で賄えるようになりました。
導入時には、屋上全面にパネルを設置するのではなく、発電量と投資額のバランスを見極めた結果、当社の場合は22kWが最も経済合理性の高い規模だと判断しました。
神奈川県の補助金も活用したことで、投資回収期間は約5年と試算しています。ローン返済額と電気代の削減額がほぼ相殺されるので、実質的な負担を抑えながら導入できました。電気料金の上昇が続けば、さらに早く回収できる可能性もあります。脱炭素化が「コスト増」ではなく「コスト削減」につながったと感じています。
今後はどのような展開を考えていますか?
さらなる脱炭素化に向けて、蓄電池の導入を検討しています。太陽光発電の自家消費率を高めることで、より効率的なエネルギー利用を実現したいと考えています。また、社有車のEV化・ハイブリッド化も一層進め、事業活動全体でのCO₂排出削減を目指していきます。
これから取り組む企業へメッセージをお願いします。
今後も電気代の上昇が見込まれる中、太陽光発電は確実なコスト削減につながります。導入しないという選択はないのではないかと考えます。