減らす株式会社大矢製作所

強み技術と再生可能エネルギー活用で進める製造業の脱炭素化

笑顔で語る代表取締役 大矢賢司様

【事業者情報】

  • 企業名:株式会社大矢製作所
  • 所在地:神奈川県川崎市中原区上平間363番地
  • 事業内容:金属加工業
  • 創立:1961年
  • 企業HP:https://www.ohya-seisakujyo.com/

強み技術と再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用により、着実にCO₂排出量削減を進める県内企業があります。株式会社大矢製作所の取り組みについて、代表取締役 大矢賢司 様にお話を伺いました。

脱炭素化に取り組み始めたきっかけは何でしたか?

きっかけは、東日本大震災後の原子力発電所事故でした。エネルギー源のあり方が社会的な課題として強く意識される中、当社でも電力の由来や持続可能性について考えるようになったのです。

自社として何ができるかを検討する中で、再エネ電力の活用が現実的な選択肢として浮かび上がりました。当初は太陽光発電設備の導入も考えましたが、自社工場の屋根の面積では電力需要を十分に賄えないことがわかりました。そこで再エネ電力の購入について調べたところ、電力供給の安定性にも問題がなく、電気料金も下がることがわかったのです。経済合理性があると判断し、再エネ電力への契約切り替えを行いました。

再エネ電力への転換は、どのように進めたのですか?

LED照明への更新や設備の見直しといった省エネ対策を進めるとともに、2019年から再エネ電力100%を実現しています。これにより電力由来のCO₂排出量は実質ゼロとなり、「かながわ再エネ電力利用認定事業者」の第1号として認定されました。

大規模な設備投資を伴わず、契約の見直しによっても脱炭素化に取り組むことができました。

かながわ再エネ電力利用認定事業者認定書

御社ならではの強み技術とCO₂排出量の関係について教えてください。

当社の強み技術である摩擦圧接加工は、金属同士を擦り合わせる際に生じる摩擦熱で接合する方法です。切削加工と比べて加工時間を約10分の1に短縮できるうえ、原材料の使用量も減らせます。その結果、材料調達から製造までのCO₂排出量は、切削加工と比べて約67%削減することが可能です。製造プロセスそのものが環境負荷の低減に貢献しているのです。

この技術は、ライフサイクル全体でのCO₂削減に貢献する川崎発の製品・技術を評価・発信する制度「低CO₂川崎ブランド」にも認定されており、品質と環境性能の両立を実現する当社の競争力の源になっています。

摩擦圧接加工

脱炭素化への取り組みを進めてみて、苦労や手応えはありましたか?

再エネ電力への切り替えは契約変更だけで実現でき、導入時に大きな苦労はありませんでした。電気料金の削減にもつながり、経営上の負担も増えていません。

現時点では、再エネ電力100%が直接受注増につながっているわけではありません。それでも、顧客からの環境対応調査には根拠を示して「電力由来のCO₂排出量ゼロ」と明確に回答できます。従業員も自社の電力が再エネ100%であることを認識していて、企業としての方向性を共有する一つの要素になっていると感じます。

今後はどのような展開を考えていますか?

電力由来のCO₂排出量はゼロですが、電力料金がコストであることは変わりません。今後は高圧受電におけるピーク電力の削減や購入電力量の削減を狙って、太陽光発電や蓄電池の導入を検討していきます。

これらの設備は電気料金対策だけでなく、災害時に地域の方に電気を使っていただくなど、地域貢献の観点からも有効だと考えています。当社の社是である「健康で誠実な仕事をすること」を体現する手段の一つとして、再エネ電力の活用や省エネの取り組みは、今後さらに重要な位置づけになると考えています。

社是

これから取り組む企業へメッセージをお願いします。

中小企業はできることが限られるからこそ、業績を見ながら無理のない範囲で取り組むことが重要だと考えています。

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