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掲載日:2022年8月23日

Web3.0とは?

中小企業の皆さまもバックオフィスのDX導入で一息ついている頃だと思いますが、前にも書いたようにDXはITがある限り、永遠に続く課題です。これからも色々とチャレンジし続けてください。

さて、今回は数年後に必ず訪れる技術概念の話です。

2022年6月7日、内閣府が発表した「経済財政運営と改革の基本方針2022」には「ブロックチェーン技術を基盤とするNFTやDAOの利用等のWeb3.0の推進に向けた環境整備の検討を進める」との文言が盛り込まれています。

Web3.0とは8年前の2014年に提唱されたもので、次世代のインターネットとして注目されている新しい技術概念です。権力分散型のブロックチェーン技術を活用しており、サーバを経由せずにデータを自己管理できるという特徴があります。


Web3.0の内容について簡単に説明すると...。

現在、利用されているインターネット技術環境は、主にGAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)のような寡占企業に牛耳られ、インターネット上に流通する個人情報は、特定の大企業によってコントロールされているのが現状です。(中央集権型)これに対し、Web3.0はブロックチェーンという技術を用い、巨大企業による寡占状態から脱却を図る仕組みです。


ブロックチェーン技術…

ブロックチェーン技術とは取引履歴を分散管理する為、開発された技術であり、インターネット上での取引記録がネットワークにつながる参加者に分散して保有されています。従来の仕組みではデータをひとつの場所にまとめて管理しますが、ブロックチェーンはデータを複数の場所に分けて管理する分散型の仕組みの事です。


NFT…

NFTとは「Non Fungible Token」の略で、日本語では「非代替性トークン」と訳されます。

仮想通貨は代替性トークンと呼ばれており、NFTは替えが効かない、唯一無二のトークンという事です。トークンとはブロックチェーン技術を使用して発行した暗号資産の総称で、NFTも仮想通貨もブロックチェーンを利用して発行する為、トークンと呼ばれています。これまでは、デジタルアートや音楽などのデジタル資産は所有者を明確にするのが困難で、複製や改ざんのリスクがありましたが、デジタルデータをNFTに紐付けすると、唯一無二のデジタルデータであることを証明できます。

DAO…

DAOとは「 Decentralized Autonomous Organization 」の略で、日本語では「自律分散型組織」と訳されます。

簡単に言えば、DAOは暗号資産を所有する人の集まりのようなものです。同じ目的を持つ人が集まって資金を集め共同で管理し、プロジェクトに共同出資したり、NFTを収集したり、独自のコミュニティを構築したりできます。DAOが作られる目的は色々とありますが、組織の在り方には共通点があります。それは、意思決定において中央で指令を下す管理者(経営者)や企業が存在せず、ネットワークに参加するメンバー全員が同等の発言権を持っているという事です。DAOはそれぞれ独自のガバナンストークンを発行しており、それを購入する事で参加し、決定権を保有できる仕組みとなっています。そして、組織に集まった資金の管理方法に関わる意思決定の際には、ブロックチェーンシステム上に設定されたルールに従って自動的に取引が実行されます。ブロックチェーンに構築されるDAOは、年齢や性別に関係なく世界の人々が参加できます。又、全ての契約や取引、権利関係のデータが書き換えができないブロックチェーン上に履歴が残る為、透明性と公平性が高い事が大きな特徴です。

DeFi…

DeFiとは「Decentralized Finance」の略で、日本語では「分散型金融」と訳されます。

ブロックチェーン上で自動的に動くプログラムにより、中央管理者を介さずに金融資産を管理できます。DeFiのウォレットはスマホ1つでいつでも開設でき、世界中どこにいてもリアルタイムの入出金が可能です。又、当事者同士で直接取引ができる為、現状の銀行みたいな不要な手数料がかかりません。


まとめ

Web3.0は、インターネットの新たな形を表す技術概念で、次世代の分散型インターネットの総称です。
GAFAM(Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)のように、寡占企業が情報を集める中央集権的なインターネットに取って代わる新たな仕組みとして8年前に提唱された技術概念です。

ユーザ自身が分散的に権利を所有・管理・活用を行い、新しい価値を創出する動きが世界的に広がっています。更に、Z世代を中心にメタバースが新たなインターフェースとなり、デジタル空間の比重が更に高まってきています。ビジネス的価値も飛躍的に上昇してきており、現在、Web3.0関連ビジネスを行う起業家がすでにさまざまなサービスをスタートさせていますが、海外に頭脳流出しているのが現状です。

Web3.0は、多くのビジネスに影響を与える技術概念です。組織、金融、資産の基本的概念が劇的に変化します。現状ではIT技術後進国である、日本のシステムが追い付いておらず、利用に自己責任が伴うなど問題がありますが、将来的に大きなビジネスチャンスになる可能性が非常に高く、中小企業の情報システム担当者の方は早めに検討し、準備しておく事をお勧めいたします。

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