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経営相談
掲載日:2024年2月19日

経営総合相談窓口の現場から~「不当なやり直し」

経営総合相談窓口の現場から

今回は、「不当なやり直し」についての事例について掲載いたします。

相談事例:不当なやり直し

鉄骨加工を行っているA社(資本金3,000万円)は、体育館の建設を受注した建設会社B社(資本金10億円)から、鉄骨の加工(工場制作)を請負いました(組立はB社が行う。)
A社は、設計図のとおり鉄骨を加工し、現場に納品しました。製品検査では問題はありませんでしたが、A社が製造に着手した後に、他の部材の設計変更があり、その結果、納品した鉄骨をその部材にはめ込むことができなかったため、再度やり直しを指示されました。
しかし、やり直しに要した費用及び増加した輸送費をB社が支払ってくれません。
このままでは赤字となるため、今後どう対応方法について下請かけこみ寺に相談することにしました。

回答

A社が鉄骨の加工と工事現場での組立など築造を請負っている場合は、建設業法が適用されますが、今回はB社が施主から受託した建設工事のうち、鉄骨の加工部分のみをA社に外注という形で製造委託しており、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の資本金区分(親事業者 資本金3億円超、下請事業者 資本金3億円以下)にも該当することから下請法が適用されます。

相談内容から、A社はB社からの設計図のとおり製造したにもかかわらず、B社が一方的に部材の変更を行っており、A社の責めに帰すべき事由はないものと考えられます。
そのため、B社は下請法第4条第2項第4号「不当な給付内容の変更及び不当なやり直しの禁止」に違反している恐れがあります。この場合、やり直しに係る費用は、B社が負担すべきことになります。
A社には、B社に下請法に違反する可能性があることを伝え、やり直しに係る費用についての協議を要請してみてはどうかと勧めました。

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