サポかな
掲載日:2021年6月23日
「サポかな」取材名言 ~ポリカーボネート樹脂の射出成形で厚さ20㎜を実現 野原プラスチックス 束原代表(1)

1960年に一世を風靡した「だっこちゃん人形」。このビニール製人形の空気を入れる部分を樹脂で製造していたのが、同年創業の野原プラスチックスだ。玩具等の部品製造は海外生産に取って代わられると早くから見越していた先代社長は、弱電や自動車といった工業製品分野へと事業をシフト。「小ロット多品種」製造で樹脂成型・加工の確かな技術力を培い、とりわけ難易度の高い厚肉生計を得意とする。今では製品品質のコンサルティングでも業界の信頼を集める束原代表の名言をお伝えします。
(取材日6月21日)―「サポかな」8月号にご期待ください。
射出成形で、20㎜を実現するのに3年の年月をかけた
従前は、厚さ10㎜以上のポリカーボネート樹脂は、張り合わせ→切削→磨き加工で製造されるのが一般的であった。射出成形では、樹脂温度320~330℃と高いポリカーボネートを流し込み冷えて固まるまでに、中に気泡ができたり、外側にシケ(反り)ができるといった困難がある。当社では、取引先と共同開発すること3年。大企業の研究所でも不可能だと言われた20㎜を実現した。 これにより、加工コストは1/5に圧縮されたのだ。

(明日のスタッフブログに続く)