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スタッフブログ

販路開拓
掲載日:2023年6月12日

経営総合相談窓口の現場から~「買いたたき」

経営総合相談窓口の現場から

今回は、役務提供委託における「買いたたき」の事例について掲載いたします。

相談事例:買いたたき

運送業者のA社は、資本金3,000千円の中小企業です。発注先の運送業者B社(資本金30,000千円)から商品の配送を1日1便受託しています。先日、B社から今後は1日3便に増やすよう要請を受けました。A社は1日3便に増やす場合は、輸送費、人員の増加が必要であると伝え、新たに見積書を提出しましたが、B社からはA社が求めた値上額の10%しか認めないと言われました。
A社は、B社の対応は下請代金支払遅延等防止法(下請法)の「買いたたき」に該当するのではないかと「下請かけこみ寺」に相談しました。

回答

A社とB社の取引は、下請代金支払遅延等防止法(下請法)の資本金基準(親事業者 資本金1,000万円超、下請事業者 資本金1,000万円以下又は個人事業者)を満たしており、「役務提供委託」に該当することから、下請法が適用される取引と考えられます。

B社の行為は、下請法第4条第1項第5号に定める「買いたたき」に該当するかどうかが問題となります。一般的に、「買いたたき」に該当するか否かは、下請代金の額の決定にあたり、下請事業者と十分な協議を行われたかどうか、対価の決定方法や通常支払われる対価との乖離状況などを総合的に判断することになります。

B社は、A社と下請代金の額を決定にあたり、十分な協議が行われず、かつA社が見積書で提示した値上額の10%しか認めなかったということですが、それが1回の配送から3回の配送に変更になった場合の対価として著しく低い額であったと判断される場合は、「買いたたき」に該当するおそれがあるということになります。
A社には、以上のことを念頭にB社に交渉を申入れてはどうかとアドバイスをいたしました。

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