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経営相談
掲載日:2022年9月26日

経営総合相談窓口の現場から~「金型の保管」(輸送業の例)

企業が量産品の部品を加工する方法の一つとして、金型を利用したプレス、射出成型等があります。量産品の部品を正確かつ迅速に成型することで、生産性に影響を与える重要な役割を有していますが、金型管理の取扱いが曖昧になっていたため、問題となるケースがあります。
今回は、そのような相談事例を掲載したいと思います。

(相談事例)
プレス加工を行っているA社(資本金10,000千円)は、20年以上取引をしている大手部品メーカーB社(資本金3億円)所有のプレス金型の取扱いに困っています。
取引期間が長いため、預かっているプレス金型は100型以上になり、金型を保管するスペースが無い状態になりました。プレス金型の中には、既に製品の量産が終わってしまい、保管のみしている金型も多く含まれています。金型管理の取決めについての文書は締結しておらず、保管費用も貰っていません。既に使用していないプレス金型の廃棄・返却についてB社に協議するよう申入れをしましたが、対応してくれません。
B社の所有物であるプレス金型を勝手に処分することもできず、A社は今後どう対応したらいいか困って「下請かけこみ寺」に相談に来られました。

取引先に所有権のある金型の取扱いについては、下請中小企業振興法第3条第1項の規定に基づく振興基準に、「親事業者及び下請事業者双方で、協議の上、型の所有権の所在、量産期間、型代金又は型製作費に関する事項(支払方法、支払期日等)、型の保守・メンテナンス、更新、廃棄等、取扱い及び費用の内容について書面化を行うものとする。」と明記されています。
また、プレス金型の保管費用を払わず無償で保管させている場合は、下請代金支払遅延等防止法第4条第2項第3号「不当な経済上の利益の提供要請」に抵触する可能性があります。A社には、以上のことを念頭にB社に協議を申入れてはどうかと助言をいたしました。

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