KIP国際化支援専門員コラム 「金槌しか持っていないと全てが釘にみえる “If all you have is a hammer, everything looks like a nail.”」
「金槌しか持っていないと全てが釘にみえる “If all you have is a hammer, everything looks like a nail.”」
国際化支援専門員コラムはさまざまなテーマで不定期に掲載していきますのでお楽しみください。
今回は国際化支援専門員の竹田による「金槌しか持っていないと全てが釘にみえる “If all you have is a hammer, everything looks like a nail.”」をお届けします。
「ハンマーしか持っていないと全てが釘にみえる。」
これはアメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズロー氏が著書に記した言葉です。限定的な手段/視点しか持っていない場合、問題を抱えた時その限定的な手段/視点で解決しようとする傾向があることを指摘しているとされています。「マズローの欲求5段階説」の提唱者と言えば親近感がわくでしょうか。
“If all you have is a hammer, everything looks like a nail.”は、持ち得る知識/スキル/経験に固執することで、思考や解釈に歪みがおこり問題の本質を正しく捉えられなくなるという危険性を戒めているとも捉えられるのではないでしょうか。仕事柄フレームワークを多用する私にとって、この言葉は常に心に留めておくべき戒めです。
フレームワークとは
フレームワークを日本語で表現すると枠組み/構造です。問題解決、戦略立案に役立つ「考え方の型」を指します。たとえば補助金の申請書などで多用されるSWOT分析もその一つです。
私は日頃、以下のようなさまざまなフレームワークを頭の中に思い浮かべながらヒアリングを行うことが多くあります。
- SWOT分析、クロスSWOT分析
- 3C分析、5F分析などの戦略フレームワーク
- マーケティング、マネジメント、組織開発における各種手法
フレームワークを用いるメリットには、情報が整理されて可視化できるので、第三者にも論理的かつ具体的にイメージを伝えられることが挙げられます。けれども、過度に依存することで柔軟な思考や独創的なアイデアが失われるリスクも同時に存在します。
型から自由になるー
柔軟な思考や独創的なアイデアの創出には、すべての枠を外して考え直すのがよいのでしょうか。
私はお茶のお稽古をしていました。茶道には「守破離」という言葉があります。最初のステップで師匠に教わる型を「守」り、次に型を「破」り、最後は自分独自の型をつくって師から「離」れる、という三段階の修業プロセスです。大切なのは、「破」と「離」はあくまで「守(基本の型)の延長線上にある。」という点です。基本を理解した上で、それを自分のものとして昇華させていくという道のりです。
コンサルタントのセミナータイトルでは、「営業活動の極意3カ条」のようなものがあります。独自に作り上げた謂わば「マイ・フレームワーク」ですね。これは創造力と独創力をもって自分なりの型を生み出している、茶道で言えば「離」の境地を極めているということでしょう。
最後に
フレームワークの使いこなしにも「守・破・離」があるようです。私にとっては長い道のりになりそうですが一歩一歩進んでいきたいと思います。
以上
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