「駐車場が2,000円!?」白川郷で感じた“観光地の今”
 
オーバーツーリズム対策の裏側をのぞいてみた
10月初旬、岐阜県の世界遺産・白川郷を訪れました。
ちょうどその頃は、中国の国慶節(建国記念日)による大型連休の真っ最中。村のあちこちで、スーツケースを引く中国からの旅行客の姿を多く見かけました。
合掌造りの集落で知られる白川郷は、もともと欧米を中心に人気の観光地ですが、この時期ばかりは“東アジアの観光パワー”を肌で感じます。村の細い道には観光客があふれ、まさに“世界がここに集まる村”といった光景でした。
驚きの駐車料金、その額は…!?
そんな白川郷を訪れる人の多くが利用するのが、村営の駐車場。
さて、気になるその料金はいくらだと思いますか?
答えは――普通車・軽自動車:一律2,000円!そして大型車やマイクロバスになると、なんと1万円!
実はこの料金、2025年10月から一気に2倍以上に引き上げられたばかりなんです。

背景にあるのは「オーバーツーリズム対策」
白川郷は、人口1,500人ほどの小さな集落。その一方で、年間200万人以上が訪れる観光地でもあります。観光客の増加による渋滞、ゴミの増加、生活道路の混雑――。
こうした課題を解決するため、村では駐車料金を大幅に見直したのだそうです。

“原っぱ駐車場”でも1日100万円の収益!?
実際の駐車場は、特別な設備があるわけでもなく、ただの原っぱに白線が引かれているだけです。それでも、一日平均700台以上の車が利用しているとのことです。単純計算すると、1日あたり100万円近い税収増になります。
地元の人からは「ずいぶん強気な設定だねぇ」という声も聞かれますが、その収益が景観保全やインフラ整備、住民の暮らしに還元されるなら、観光客にとっても納得のいく“応援消費”になるのではないでしょうか。
観光地の価値をどう守るか
美しい景観を未来へ残すためには、時に「価格を上げる」ことも必要。白川郷の試みは、観光地の“持続可能なあり方”を考えさせてくれるものでした。
駐車場2,000円の裏には、世界遺産を守るための努力が隠れているのです。
