M&Aを専門業者などに依頼する際の留意点について解説します
M&A専門業者
M&A専門業者は、M&Aの仲介業務や FA業務に従事する専門業者であり、中小M&Aの実現にとって重要な役割を有する支援機関です。
M&A専門業者がマッチング・交渉等についての支援を行うことで、これまでに数多くの中小M&Aが成立し、M&A専門業者は、近年の中小M&A市場の成長に相当程度の貢献を果たしてきました。
一方で、士業等専門家については法令において資格要件、業務内容、善管注意義務や刑罰等が明確にされているものの、M&A専門業者については、許可制・免許制等は採用されておらず、業界全体における一般的な法規制も存在していないのが現状です。
マッチングなどを依頼する際のチェック事項
このような中、中小企業庁では、令和2年3月31日、M&Aに関する意識、知識、経験が少ない後継者不在の中小企業の経営者の背中を押し、 M&Aを適切な形で進めるための手引きとして「中小M&Aガイドライン」を公表し、中小M&Aの手続の流れに沿って、透明性・公正性の確保という観点から、M&A専門業者の各工程の具体的な行動指針を記載しています。
また、「中小 M&A ガイドライン」においては、中小 M&A における実務の更なる発展に合わせて、随時、必要な見直しを行うことが期待されていることから、「中小 M& Aガイドライン見直し検討小委員会」において、早急に見直しを行うべき事項と継続的な議論が必要な事項とに分けて見直しの議論が進められています。
マッチングなどを依頼する際のチェック事項
M&A専門業者にマッチングなどの支援を依頼する際には、次のリストを確認することが大切です。
① | M&Aについて希望する条件を業者に明確に伝えましたか。 |
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② | 譲り渡し側・譲り受け側の双方から受任する場合(仲介者)と、片方のみから受任する場合の違いを理解しましたか。依頼する業者がどちらか確認しましたか。 ※仲介者の場合、通常は双方に手数料を請求します |
③ | 依頼するのは、具体的にはどのような業務ですか。 |
④ | 手数料はどのように算定し、いつ支払いますか。最低手数料はありますか。 |
⑤ | 秘密保持の条項はありますか。他の専門家などへの情報共有は可能ですか。 |
⑥ | 他業者への依頼を禁じる条項がありますか。セカンド・オピニオンは可能ですか。 |
⑦ | 中途解約は可能ですか。契約期間や⑥の条項の有効期間は確認しましたか。 |
⑧ | 業者との契約終了後、一定期間内にM&Aを行った場合にも手数料が生じるとする条項はありますか。その期間や、対象となるM&Aは確認しましたか。 |
(注)仲介者の場合、構造的に譲り渡し側・譲り受け側の双方の間で、利益相反のおそれが生じますので、特に上記②についてはご注意ください。
M&Aプラットフォーム
M&Aプラットフォーマーは、インターネット上のシステムを活用し、オンラインで譲り渡し側と譲り受け側のマッチングの場(M&Aプラットフォーム)を運営する者のことです。
各M&Aプラットフォーマーにおいて、利用対象者や利用方法等は異なりますが、一般的には譲り渡し又は譲り受けを希望する事業者が自らインターネット上で M&Aプラットフォームに登録し、当該 M&Aプラットフォームを閲覧することによりマッチング候補先を探すことができるため、簡便かつ低コストでのマッチングが可能となります。
M&Aプラットフォーマーは、中小M&A の全ての工程において多額の費用を掛けられない、又は、M&A専門業者等に依頼することを躊躇して中小M&Aに踏み切れない中小企業等に対して、中小M&A を後押しできる立場にあります。
M&Aプラットフォーマーを利用する際のチェック事項
M&Aプラットフォームを利用する際には、次のリストを確認することが大切です。
① | 自社の情報をどの程度まで開示するかを慎重に検討しましたか。 |
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② | それぞれの特徴を踏まえ、どのプラットフォームを使うべきか検討しましたか。 |
M&A専門業者の手数料
料金体系として、①着手金・②月額報酬・③中間金・④成功報酬の形式が多く見られます。
ただし、仲介者・FA の手数料には一般的な法規制がなく、どのような料金体系を採用するかは、あくまで各仲介者・FA(※) による点については留意が必要です。
※FA(フィナンシャル・アドバイザー)とは、譲り渡し側又は譲り受け側の一方との契約に基づいてマッチング支援等を行う支援機関をいいます。
①着手金 | 着手金は、主に依頼者との仲介契約・FA 契約締結時に発生する手数料です。 |
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②月額報酬 | 月額報酬は、主に月ごとに定期的に定額で発生する手数料です。 |
③中間金 | 中間金は、基本合意締結時等、案件完了前の一定の時点に発生する手数料です。 |
④成功報酬 | 成功報酬は、主にクロージング時等の案件完了時に発生する手数料です。 「基準となる価額」に応じて変動する各階層の「乗じる割合」を、各階層の「基準となる価額」に該当する各部分にそれぞれ乗じた金額を合算して、報酬を算定する手法(レーマン方式)が広く用いられています。 |
(注)プラットフォームについては、売り手には一切の手数料が発生しないケースが多いです。
(出典:中小M&Aガイドライン 中小企業庁)
レーマン方式
(出典:M&Aの概要とFAの役割 中小機構)
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